これから、声の仕事で活動していく際に必要なのがボイスサンプルですよね。
しかし、作成にあたってどのようなものを作っていいのか悩む人も多いのではないでしょうか?
実は、ボイスサンプルには必ず押さえておきたいいくつかのポイントがあり、これらを意識することでガラッと印象が良くなります!
そこで、今回は「そもそもボイスサンプルって何?」「どこに気をつければいいの?」といった悩みを抱える人に知ってほしい良いボイスサンプルを作るために必須の基礎知識をご紹介します。
ボイスサンプルとは?
ボイスサンプルとは、自分自身の宣伝素材であり名刺がわりになるものです。
業界では「サンプル」「ボイサン」などとも呼ばれ、タレントのプロフィールページ欄に掲載されていますよね。
僕自身も、これまで何度か作っては作り直しというのを繰り返してきましたが、必ずしもコレ!という形はありません。
ですので、できるだけ柔軟な発想で自分だけのサンプルを作ることを心がけてほしいと思います。
とはいえ、前述したようにボイスサンプルは「宣伝素材」であるということです。
それでは、これらの点を踏まえた上でボイスサンプル作成にあたってのポイントを挙げていきます。
ボイスサンプル基礎知識
客観的にみて明確なものにする
はじめに、ボイスサンプルの役割を理解し、そのうえで客観的にわかりやすいのものを作るよう心がけましょう。
まず、ボイスサンプルはどのようにして使われるのかですが、一般的な仕事の流れとして、クライアントとなる企業が広告会社に仕事を発注し、さらに制作会社に流れます。
そして、制作会社がどのような人に依頼するかを決めるわけですが、このときに各タレントのボイスサンプルを聴いて検討することになります。
ここで注意したいのが、技量やスキルというよりも「声をアピール」することです。
もちろん上手いに越したことはありませんが、例えば、相手が「赤」をイメージしていても「赤」の主張が弱ければ聴いたときにイメージと合致しにくくなりますし、お店などでも、中身のわからないものよりパッケージから中身がわかりやすく安心感や親近感のあるものを手に取りますよね。
良いボイスサンプルを作るにあたって「自分の声はコレ!」という武器を初めて聴く人にもわかりやすくアピールしていきましょう。
また、仕事を続けていく上でなるべく相手に自分の声のイメージを印象付けることも意識してみてください。
人気声優であれば多くの人の頭の中に声のイメージがあるように、例えば「若い 明るい 安い」でイメージしたときにパッと思い浮かぶような人ほどその後も自然と仕事が繋がりやすくなるはずです。
ボイスサンプルは、不特定多数の人に公開するとはいえ、ターゲットは業界関係者であり商品を探している人たちです。
目立ったもの勝ちではないですが、CMやお店の商品パッケージのように、相手から見てわかりやすく印象的なPRほど、より効果的な「宣伝素材」になりえます。
自己分析をする
続いては、ボイスサンプルの構成についてのポイントです。
はじめて作る場合は、どうしても自分が望むキャラクターやセリフを入れてしまいがちですが、必ずしもそれが正しいとは限りません。
自分自身を客観的に自己分析し、どんな役柄や原稿ならその声が活かせて周りの需要が多いのかを考えてみましょう。
一般例ですが、女性で声が高いなら幼い子どもや小動物のキャラクターの他にバラエティーナレーションなどが多いですし、男性で声が低いなら、軍人や巨人、報道やドキュメントのナレーションに適しているかもしれません。
その他にも、トーンの明るさ、柔らかさ、透明感など声質は人それぞれですが、自分に近いと思うプロの方を参考に将来的にどのポジションを狙うべきかを見定めると構成がはっきりしてくるはずです。
また、サンプルでは必ずナチュラルトーンのものを一つ入れておくことをおすすめします。
普段喋るような自然な高さの声を入れておくと、聴く側も音域の幅や変化がわかりやすくなりますよ。
相手に伝える
最後は、表現方法のポイントです。
せっかく作ったボイスサンプルも相手に伝わらなければ意味がありませんよね。
「音声のみ」「短い尺」という限られた条件にはなりますが、その中でもしっかり相手の興味を惹き自分を知ってもらいましょう。
伝える意識とは、言い換えると「語りかける」ことです。
収録したものを聴き返してみるとわかりますが、聴いている自分に語りかけられていないと感じたら、それはただ話しているだけの状態です。
これは声の仕事をする上で必須のスキルになるので、ぜひ以下のトレーニングを実践してみてください!
- 身の回りの物に「おはようございます」と語りかける
- 家族や友人に「おはようございます」と語りかける
- マイク前で相手をイメージしながら「おはようございます」と語りかける
さらに深掘りした技術的な内容になりますが、卓立法についても解説しているのでぜひこちらも参考にしてみてください。
収録にあたって
構成や原稿が決まったらいよいよ収録です。
個人で作成する場合、最低限必要な音質の良い機材を揃えるのもありですが、まずはレンタル可能な収録ブースを利用するのがおすすめです。
ブースであれば、音を気にせず集中できる防音性と反響音の少ない吸音性から声にまとまりが出るため、作業も捗り完成度の高いものができるはずですよ。
そして、原稿を読み上げる際は、肩の力を抜いてゆっくり丁寧に喋ることを心がけましょう。
慣れていないと早口になったり間を置かずに喋ってしまいがちになるので、必ず聴いている人を意識してください。
まとめ
- 明確化
- 自己分析
- 語りかけ
というわけで、今回は良いボイスサンプルを作るために必須の基礎知識をご紹介しました。
結局のところ、ボイスサンプルは演技のサンプルではなく声のサンプルになります。
自然体の自分を知ってもらうためにも、ぜひ上記のポイントを意識した上で、収録では「ゆっくり丁寧に」を心がけてみてくださいね。
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