ここ数年、リモートワークの流れから以前より自宅で仕事をする人が増えてきましたね。
もちろん、仕事に限らずプライベートでもこれから宅録・DTMを始めようという人も多いのではないでしょうか?
あれこれ機材はあるけど、自宅で収録・編集となるとどのくらいのお金がかかるのかも気になるところ…。
というわけで、この記事では以前ナレーションの音声収録を目的に実際に宅録機材を購入した筆者が、これから同じような目的で購入を検討している方へ必要な機材と商品選びのポイントを紹介していきます。
ぜひ、ご自身の目的にあった宅録機材を探してみてください!
宅録に必要な機材一覧
ゼロから機材を揃える場合、声を録音するためにはマイク以外にも様々な機材・設備が必要だったりします。
音響機器ということもあって中にはものすごく高額なものまであるけれど、実はパソコンを除いた専用機材だけなら5万円以内で揃えることも可能なんです!
なので、最初はなるべく最低限の機材で使いやすいものから検討してみるといいですよ!
以下で、宅録機材に関する基本的な知識と合わせて解説していきます。
マイク
声の収録がメインであればやはりマイクは欠かせんね。
マイクには、「ダイナミックマイク」(写真左)と「コンデンサーマイク」(写真右)の2種類のタイプがあります。
よくライブなど使われるのがダイナミックマイク、スタジオ収録で使われるのがコンデンサーマイクと、それぞれ見たことはあるけど具体的にどう違うのかが気になるところです。
実は、ダイナミックとコンデンサーにはそれぞれ特徴があり、性能的に向き不向きがあるんです。
【ダイナミックマイク】
- 低価格
- 音を拾う範囲が限られる
- 湿気や衝撃に強い
- 用途が幅広い
【コンデンサーマイク】
- 高価格
- 高感度
- 湿気や衝撃に弱い
- 用途が限られる
ダイナミックマイクは、なんといっても価格のお手頃さと汎用性が売りで屋外での使用や持ち運びにも適していますが、音質や指向性(音を拾う方向)は限られたものが多いです。
反対にコンデンサーマイクは、湿気や衝撃に弱く収録の際の取り扱い(ファンタム電源を切ってからケーブルの抜き差しを行うなど)や周囲の雑音とても繊細ですが、音質や感度に関しては比較的優れています。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、今ではそれぞれ価格帯やデザインも豊富に発売されているので、自分の好みのものを選ぶのもいいかもしれません。
【定番商品】
使いやすさ抜群のUSBマイク
ここまで読んで、コンデンサーマイクって「なんだか複雑そう…」と思う人も多いかもしれません。
そんな方におすすめなのが「USBマイク」で、多くのYouTuberなどが愛用しているタイプのマイクです。
こちらはケーブルの接続部分がUSBタイプになっており、直接パソコンなどのデバイスに接続できることからオーディオインターフェースも不要なので、とにかく簡単に収録できちゃいます!
価格帯は¥2,000〜¥20,000程度とリーズナブル。
音質に関しては通常のコンデンサーマイクの方が優れているものの、最近ではスタンド、ポップガード付きのもの、指向性、音質に優れたものなど様々な特徴のあるものが多く発売されているので、使いやすさとコスパを重視したい方はこちらがおすすめです!
また、iPhone/iPadなどに接続する際は変換用にカメラアダプターが必要になります。
USBタイプでも本格的な音を求めるなら、コンデンサー型の以下の商品が定番。
【定番商品】
オーディオインターフェイス
オーディオインターフェイス(AI)とは、マイクや楽器から送られるアナログ信号をパソコンなどへ取り込む際にデジタル信号へ変換するもの。その逆でパソコンからヘッドフォン等へ送る際もこれが必要となります。
わかりやすく言うと、英語と日本語の翻訳機のような役割をする機材というイメージです。
音声の収録であれば、マイク・ヘッドフォン→AI→パソコン・スピーカーという形で接続するイメージ。
機種によって性能の差はありますが、これ一つで様々なスタイルの収録ができ、なおかつノイズ(雑音)やレイテンシー (遅延)といった問題を解消してくれるため、本格的な宅録には必須のアイテムです!
機種によって、入・出力端子の数や種類に違いがあるため、どういった収録をメインでするのか?ということを考えながら検討するといいかもしれません。
また、コンデンサーマイクを使う場合は、必ずファンタム電源(+48V)機能が搭載されているものを選ぶようにしましょう。
【定番商品】
DAW
DAWとは、「Digital Audio Workstaion(デジタル・オーディオ・ワークステーション)」の略でいわゆる音楽制作ソフトです。
収録した音声の編集、ソフト内部からの打ち込みなど、楽曲制作も行いたい人には欠かせません。
アプリケーションでも代用は可能ですが、より細かい確認・編集作業をする場合は専用のDAWソフトを購入してインストールすることをおすすめします。
それぞれのソフトによって特徴やグレードがあり価格もバラバラですが、音声編集がメインであれば、最初は下位グレードの無料版でも充分だと思います。
下記のメーカー製品は日本語のサポートも充実しており、なおかつ無料版も用意されていておすすめです!
【定番商品】
- Cakewalk By Bandlab (mac非対応)
- Steinberg Cubase
初心者におすすめのAI+DAWセット商品
マイク同様に、DAWもなんだか複雑すぎて扱いが不安だったりしますよね。
実は「SteinBerg」というメーカーのAIを購入すると、無料版「Cubase AI」のダウンロードコードが付属されています。
僕も最初はあれこれ悩んだんですが、結局SteinebergのUR-22 mkⅡを選択しました。
同じメーカーなので互換性も良く、商品到着後にDLと初期設定を終えてすぐに使えるので個人的にかなりおすすめです!
【2IN 2OUT】
入力1:mic(XRL)
入力2:Hi-z×1
【LINE出力端子】
L/R(RCA)
【bit/khz】
24bit/192khz
【対応デバイス】
Mac/Windows/iPad
- +48V(ファンタム電源)搭載
- ループバック機能
【2IN 2OUT】
入力1:MIC/LINE(XRL/TRSコンボ)
入力2:MIC/LINE(XRL/TRSコンボ)
【LINE出力端子】
1L/2R(TRS)
【bit/khz】
24bit/192khz
【対応デバイス】
Mac/Windows/iPad
- +48V(ファンタム電源)搭載
- ループバック機能
- MIDI入出力対応
堅牢なデザインの見た目とは裏腹に音は柔らかく太い印象で、価格は違えどどちらも中身は同じで音に大きな違いはありません。
とはいえ、UR-12はマイク+ギターやベースの併用が可能ですが、マイクを2本使って収録をしたい場合やTRS端子のマイク、MIDIキーボードを使いたいならUR-22 mkⅡの方が機能面や汎用性も優れていて便利です。
どのオーディオインターフェイス選びにも共通することですが、使用場面やマイク(機材)を想定したうえで、それに対応してくれる機材を選ぶことがポイントです!
モニターヘッドホン/スピーカー
収録した音を正確に聴き取るためには、ヘッドホンやスピーカーは欠かせません。
ですが、どちらか一方を選ぶならまずはモニターヘッドホンから検討するのがおすすめです。
「そもそもモニター用のヘッドホンとは何か?」ですが、一般のヘッドホンだと重低音が効いていたり高音のシャリっとしたような音の癖やバラツキがあるんですが、これらの特徴をなるべく抑えたフラットな音を再現してくれるのがモニターヘッドホン。
音漏れや雑音を抑えるならフィット感のある密閉型、疲労感を抑える場合は軽量かつサイズ調整がしやすい開放型がおすすめです。
以下のポイントを基準に検討してみましょう。
- 音質(高解像)
- 音域(周波数帯のレンジの広さ)
- 音漏れ
- フィット感
- ケーブルの長さ
長らく愛用され続けるSONY「MDR-CD900ST」をはじめ、海外で人気のあるaudio technica「ATH-M50x」などはモニターヘッドホンのド定番と言えます!
【定番商品】
パソコン
宅録やDTMをするにあたって必要不可欠なのがPCですね。
宅録をするにあたってスペックはそこそこのものであれば問題ありませんが、最低でも「メモリ=8GB〜」「CPU=Core i5〜」「SSD=128GB〜」から選ぶのが無難です。
また、OSはWindowsとMacで悩む方も多いかもしれませんが、宅録作業をするにあたってどちらも使い勝手の良いPCです。
自宅使いのみであればデスクトップ、日常的に持ち運びをするならノートなど。
デザインや携帯デバイスとの相性と照らし合わせながら検討してみましょう!
【Windows】
- 比較的安価
- デザイン・価格帯が豊富
- スペックの拡張性が高い
- 対応ソフトが豊富
- 修理費が抑えられる
【Mac】
- 高いブランド力
- デザインが統一的
- 直感的な操作性
- 初期アプリケーションが豊富
- 保証・サポートに強い
【定番商品】
あると便利な機材
ここからは、上記のメイン機材・収録環境によっては購入しておきたいアイテムを紹介します。
安価なものでも作業効率を大きく向上してくれたりするので、ぜひチェックしてみてください!
ポップガード
よくコンデンサーマイクの前に取り付けられている丸い形をしたあのアイテムです。
コンデンサーマイクは、感度が良いこともあり至近距離の些細な音であればほぼ確実に拾うため、このポップガードがあるとブレスやポップノイズ(破裂音)といったノイズをガードしてくれる役割を果たしてくれます。
【布製】
- 比較的安価
- 軽量
- ブレスなどの空気圧に強い
- 音量や高音がカットされる
- メンテナンスしにくい
【金属製】
- 比較的高価
- やや重い
- 吸収されないクリアな音
- メンテナンスしやすい
- 長く活用できる
リーズナブルなものを求めるなら布製でショックマウントとセットのものがおすすめですし、音にこだわるなら金属製のSTEDMAN「PROSCREEN101」が定番どころです。
商品によって取り付け方が異なるため、そこもチェックしておきましょう!
【定番商品】
ショックマウント
あまり馴染みのない人も多いかもしれませんが、こちらは収録時にコンデンサーマイクを固定するアイテムです。
ショックマウントがあることで、衝撃に弱いコンデンサーマイクを守り微細な振動を和らげてくれるためノイズクッション的な役割を果たしてくれます!
高価なものほど安定感やクッション性、さらには素材まで変わってきますが、自宅で使う分には安価なものでも充分収録は可能です。
マイクのサイズや取り付け部位に対応したものを検討してみましょう!
マイクスタンド(アーム)
マイクスタンドには主に「スタンド型」「卓上スタンド型」「アーム型」があるので、それぞれの収録にあわせたものを選びましょう!
特にアーム型に関しては繊細で、実際に使っている僕が注意すべきと思う点は、「耐荷重」「アームの強さ」「間接部分」です。
はじめは安価なものもでも良いですが、マイクのポジションや角度は意外と気になってくるので、ストレスなく調節できるものがおすすめです。
それぞれマイクの重さを考慮しつつ、その重さに充分耐えられる機材を検討してみましょう。
【定番商品】
リフレクションフィルター/吸音パネル
自宅での収録中なにかと気になるのが「音漏れ」や「周囲の雑音」だったりしますよね。
こうしたときにリフレクションフィルターや吸音材があると、マイクに当たる反響音や雑音を吸収してくれます。
特にコンデンサーマイクで収録する場合は、この違いが如実に表れるので余裕があるなら購入しておくのがおすすめ!
リフレクションフィルターの場合、面積や吸収素材・厚さが反響音を抑えるポイントです。
とはいえ、完全な防音設備を整えるのはかなりコストがかかるので、厚手の毛布や安価な吸音テープでドアの隙間などを塞ぐだけでも音漏れや反響音を防ぐことができますよ!
【定番商品】
- KUSUN 吸音材 25cm×25cm 24枚セット
- Marantz Professional Sound Shield Compact
- TroyStudio ポータブルレコーディングボーカルブースサウンドボックス
【コスパ重視】音声収録におすすめのコンデンサーマイクセット
以下で、簡単にはじめられるものから本格的な収録にも対応できる機材セットを紹介しているので、ぜひこちらも参考にしてみてください!
まとめ
宅録機材や設備を揃えるとなるとあれこれ悩んでしまいますよね。
ですが、今では高品質のものがリーズナブルな価格で手に入るようになってきました。
メーカーごとの特徴やデザインにも注目しながら、ぜひお気に入りの機材を使って宅録をはじめてみてください!
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