毎年、秋から春先にかけて多くの声優養成所が入所オーディションを開催しますが、声優を目指す人にとってもこうした情報をもとに進路について考えることが増えてくる時期ですよね。
今では数えればたくさんある声優事務所ですが、その中でも養成所を運営する人気プロダクションというのは意外と少なかったりするかもしれません。
ましてや、数少ない所属オーディションとなるとなおさら絶好のチャンス!
せっかくなら、自分自身が納得できる良いパフォーマンスでアプローチしたいですよね。
というわけで、今回は人気声優事務所・プロダクション・エースが開催する「新人声優育成オーディション2021」についての記事をご紹介します。
現在公開されている詳細や合格特典、さらに応募のメリット・デメリットから審査の対策まで幅広く解説していくので興味のある方はぜひ参考にしてみてください!
新人声優育成オーディション2021について
すでに公式サイト等でご存知の方も多いかもしれませんが、ここで改めて詳細を載せておきます。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、今後の変更・対策等も十分考えられるので、こまめに公式サイトをチェックしておくことをおすすめします!
- 主催:プロダクション・エース
- 開催日:2021年2月27日(土)、3月13日(土)
- 会場:プロダクション・エース演技研究所
- 受験料:無料
- 締切:-
- 応募:Web申し込みフォーム(申し込み完了通知メールあり)
- 審査:1次審査(書類)、2次審査(実技・面接)
【資格】
- 16歳以上35歳程度までの健康な男女
- 未成年者は保護者の同意が必要
- 2021年5月時点で他事務所、他養成所、専門学校に所属していない方
(※2021年1月現在)
合格者特典
公式サイトにある通り、特典は以下の2つに分けられてます。
プロダクション・エースについて
応募を検討するほとんどの方が「プロダクション・エース」という名前を一度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか?
- 河本 啓介
- 水島 裕
- 山本 和臣
- 戸張 楓音
- 野水 伊織
- ブリドカット セーラ 恵美
- 春名 風花
- 山田 奈都美
第14回 声優アワードで「富山敬賞」を受賞された水島裕さんをはじめ男女共に多くの方が在籍していますが、比較的中堅から若い声優さんが目立つ印象なのでこのあたりの競合は激しいかもしれません。
とはいえ、プロダクション・エースといえば、アミューズメントメディア総合学院とKADOKAWAの関連会社です。
外画やアニメ・ゲームなど、様々なコンテンツ制作を手掛けるグループ企業との連携から、こうした作品へのキャスティングが大きな強みといえます。
プロダクション・エース演技研究所について
- 研究科選抜
- 研究科
- 本科
主なカテゴリーはこの3つで、研究科選抜と研究科はマネジメント対象になります。
また、直下にあるプロダクション・エース演技研究所では、一定のクラス(研究科)以上に在籍している研究所生にはマネジメント対象として作品出演チャンスがあります。ヴォイスサンプルやオーディションなどから抜擢された場合、演技研究所生であってもキャスティングに加わる可能性を秘めています。
引用:声優を目指す人必見!プロダクション・エース(声優プロダクション)がオンライン説明会を開催します!(https://prtimes.jp)
養成所の編成は、8クラス(A〜H)×定員30ということで約240名が毎年入所します。
入所の倍率的にはそれほど高くないものの、そこから上のカテゴリーや所属へとステップアップする際の競合が激しいようですね。
オーディションの魅力
では、ここからはこのオーディションの魅力や応募のメリット・デメリットについて、現状わかる範囲で解説していこうと思います。
また、後半ではオーディションを応募にあたっての対策なども紹介していきますね!
応募のメリット
新人声優育成オーディションでは、審査日が2月27日(土)、3月13日(土)と2日に分かれており、会場に赴くのは実技・面接審査のみ。
なおかつ無料で受験することが可能なので、比較的応募しやすいオーディションではないでしょうか。
はじめて応募する方にとっては、なおさらオーディションの経験値を積む機会になるはずです!
また、前述した合格特典には2パターンありますが、いわゆる「直接所属」と「養成所特待生」という形でどちらもかなり魅力的な特典ですよね。
仮に、直接所属であれば養成所のステップを飛ばし本来所属に至るまでのお金や時間を要することなくマネジメント契約ですし、特待生でもそれなりの割合で学費をカットできるのはありがたいことです。
高いお金と数年の歳月を費やして学校や養成所へ通う人が多い中、直接所属または学費免除で養成所に通えるのはかなり大きなメリットですよね。それに、「エース賞」「優秀賞」という肩書きも今後の活動のアドバンテージになるはずです!
応募のデメリット
応募することのメリットがある反面、少なからずデメリットもあったりします。
応募から合否がわかるまでと考えると、ざっくり1ヶ月程度はプロダクション・エースにコミットせざるを得ません。
加えて、この時期は他の養成所・学校なども審査期間真っ只中のところが多く、スケジュール管理や準備も大変になってくるはずです。
プロダクション・エースを第一に考えるならおすすめですが、そうでない場合は他の養成機関をメインで考えておくことがおすすめです。
さらに時期的な問題ですが、東京都の緊急事態宣言が長引いた場合は2次審査に関する変更や中止などもゼロとは言い切れないので、ある程度承知の上で準備しておくのが大切かと思います。
おすすめのオーディション対策
基礎知識
オーディションには、大きく分けて「キャスティングオーディション」と「所属オーディション」の2つがあります。
今回は特待生枠も兼ねた「所属オーディション」になり、こうしたオーディションでは主に声質や将来性を見越して審査されることになるはずです。
もちろん技量も加味されますが、それ以上に現時点でプロダクションにいない声を持っていたり魅力的なキャラクターを持った人材が選ばれる可能性が高いです。
実際のところどういった審査基準かわかりませんが、年齢も近く似たような声を持っていても被ってしましますからね…。
選ぶ側になって考えてもらうとわかりやすいですが、やはり事務所の利益に繋がることが大事ですよね。
「この子は面白そう」と思った審査員が多ければ多いほど印象に残りやすくなるはずですよ!
実践・対策
オーディションの対策って実際どんなことをすればいいの?と思う人も多いはずです。
日頃の発声や滑舌といった基礎練習はもちろんですが、直前になってくるとそれ相応の対策が必要になってきますよね。
今回のオーディションでは、書類審査からの実技・面接審査ということで、この点に絞って「今できる対策」をご紹介していきます!
申し込みフォーム/1次審査(書類審査)
書類審査はすべての応募者がやるべき課題になりますね。
当たり前のことですが、まずは正しい言葉づかいを心がけましょう!
ただ、簡単なように見えて意外とこれには落とし穴があったりもします。
最近だと、尊敬語や謙譲語の間違った使い方や「 “さ”入れ」「”ら”抜き」「”れ”入れ」言葉でしょうか?
ちなみに、「 “さ”入れ」「”ら”抜き」「”れ”入れ」言葉とは以下のような使い方。気を抜くとついつい使う言葉ですよね。笑
2つ目のポイントは、簡潔にわかりやすくです。
ありがちなパターンですが、思いを伝えたくても内容の詰め込みすぎ、表現が硬くなりすぎ、曖昧な言い回しばかりだと結局何が言いたいのかわかりませんよね?
過程と結論が結びつくように意識し、肝心なところは「〜です。」「〜ます。」など、はっきりした表現の方が全体が引き締まって伝わりやすいです。
記入した後は、必ず余計な言葉の”削ぎ落とし作業”を行なってください。
3つ目のポイント。ここが一番大事だったりしますが、とにかく魅力的な内容を心がけましょう!
申し込みフォームには、「オーディション受験動機・自己PR」がありますが、ここで頭を悩ませる人も多いはず。
ただ、PRに正解はないのでまずは柔らかく自由な発想で考えてください。
当たり障りのないテンプレのような内容だと、読む側にとっても面白みがなく印象には残らないですよね?
多少くだけた表現になってもいいので、自分だけの経験や思いを書いて相手の心に引っ掛かることが大切です。
例えば、応募したきっかけについても、「小さい頃から演じることが楽しくて〜」「この作品と声優さんが好きで〜」とかって結構ありきたりだと思うんです。
むしろ、自身の”きっかけ”を相手がよりイメージできるようにしてみてください。
あまり詰め込みすぎてもややこしくなっちゃいますが、文章から「あなた」が想像できるような内容であればあるほどPRに個性が出てくるはずです!
エピソードで、他の物事が主体になりすぎず、あくまであなたのことがメインになるように。
相手は機械ではなく「人」なので、読んだときに必ず感じるものがあるはずです。
会ってみたいと思われれば勝ちなので、「自分と声優」にまつわるこれまでの体験をこと細かく思い出してください。
というわけで、エントリーから書類審査ではこれら3つのポイントを心がけて作成してみることをおすすめします。
- 正しい言葉づかい
- 文章は簡潔にわかりやすく
- 魅力的な内容
2次審査(実技審査&面接審査)
実技・面接の内容は記載されていませんが、それでも何かしら対策をしたいという方におすすめの方法を紹介していきますね。
僕自身が実際に学校・養成所で教わったことでもあるんですが、とにかく大切なのは本番を想定した練習です。
実技ではどんな原稿や課題がでるのか?
面接では何を聞かれるのか?
もちろん、応募者にはわかりませんが、ある程度想定して練習することは可能かと。
例えば、審査側の手元には書類審査で用いたプロフィールがあるはずなので、自分が記載した「趣味・特技」「経歴」「動機・自己PR」なども含めてスムーズに答えられると印象が良いですよね?
実技の場合、自己PRが課題になったり、当日はその場で原稿を渡されることもあるかもしれません。
セリフやナレーションなど、様々な原稿を初見で対応できる力と同時に、その声を離れた審査員に届ける意識も大事です。
コロナ対策としてパーテーションを敷いたり距離を保っての審査になると思うので、どんな状況下であっても良いパフォーマンスができるようにイメージトレーニングを積み重ねてください。
自分自身がリラックスできるコツを心得ておくといざという時にも役立ちますよ。
審査や初見読みの関連記事は以下がおすすめです!
おすすめの書籍
最後に、「新人声優育成オーディション2021」を受けるにあたって個人的におすすめの書籍を紹介します。
『俳優のためのオーディションハンドブック』
(書籍版/Kindle版)
タイトルにあるように俳優向けではあるものの、声優志望者でも充分参考になります。
オーディション前の心構えや対策を基本から学べて、おまけに専門用語にも詳しくなれる!
ハンドブックとあって気軽に持ち運びができるので、実際に会場へ赴く際にあるとなにかと心強い一冊です。
『売れる声優になるためにあなたが今しなければならない30のこと』
(書籍版/Kindle版)
アニメ『テニスの王子様』『HUNTER×HUNTER』の音響監督を務めた平光琢也さんの著書。
ご自身の体験から、制作側が求める声優についての解説が中心で、客観的に業界の仕組みや売れる声優としての具体論が書かれています。
オーディションについては第1章と第4章のみですが、他の書籍以上に深掘りした話が多かったのでかなり読み応えのある一冊ですよ。
まとめ
オーディションに合格することは、本当に困難で多くの人は願った結果を得られないのがほとんどです。
さらに、新型コロナウイルスの影響から、今後もあらゆる対策・変更等あるかもしれません。
ですが、「プロダクション・エースに入りたい!」という強い気持ちを持った方は、ぜひ応募してほしいチャンスだと僕は思います。
応募の締め切りについてはアナウンスされていないので、なるべく早めに検討し行動しておくのがいいかもしれませんね。
結果はどうあれ、応募することで間違いなく貴重な経験になるはずです。
また、時期が時期ではありますが、アクセス可能な方は養成所の「資料請求」「レッスン見学」「個別相談」を問い合わせてみることをおすすめします。
実際に、見て・聞いて・知ったことも必ずオーディションに活きるはずですよ!
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