みなさんは、自分の滑舌が気になるなあと感じたことはありますか?
よく周りから、言葉を聞き返される、聞き間違いをされていた。
誰でもこうした経験はあるかと思いますが、直接「滑舌が悪いね」なんて指摘されるとやっぱり凹みますよね…。
僕も声優学校や養成所に通っていた当時は口すっぱく叱られたもので、声の仕事を目指す人にとっては特に大事な基礎スキルだったりするんですが、なかには練習をしてもなかなか滑舌が良くならないと感じている人もいるかもしれません。
そこで、今回は滑舌練習において意外と見落としがちな「舌」にポイントを絞ったトレーニングをご紹介します!
「た行・な行・ら行」などを効率的に改善していく方法でもあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
舌筋(ぜっきん)とは?
日本語を発音する際には、口輪筋などの表情筋、さらには腹筋以外にも様々な筋肉を鍛える必要がありますが、その中でも特に大事なのが舌の筋肉である「舌筋(ぜっきん)」です。
舌にも筋肉があるの?と思うかもしれませんが、舌には様々な筋肉があり、大きく分けると「内舌筋(ないぜつきん)」と「外舌筋(がいぜつきん)」から形成されます。
舌は、口周りの表情筋と違って、軟口蓋や歯に、触れる、当てる、支えるなど、あらゆる”子音や母音を作り出す”滑舌の根本となる部位ともいえますよね。
- 内舌筋:舌の形を自由に変化させるための筋肉
- 外舌筋:舌を前後左右に動かすための筋肉
滑舌トレーニングといえば、口を大きく開けた発声や早口言葉に外郎売などが有名で、日頃こうした練習を繰り返している人も少なくないかもしれません。
もちろん、これらにも効果はあるのですが、練習量や方法によっては負荷がかかりにくいともいえますし、場合によっては効果的でないともいえるんです。
繰り返し練習しても、「なぜか早口になると噛んでしまう」「た行、ら行がうまく言えない」など、こうした原因は舌を鍛えることであっという間に改善されるかもしれません。
プロはなぜ滑舌が良いのか?
例えば、ベテランの声優やナレーターを観察していると、喋るときにはっきりと口を開けている人ってそこまで多くなかったりするんです。
それでも滑舌が良く聴き取りやすいのは、口周りの筋肉はもちろんですが舌の筋肉が非常に発達しているからこそだと思います。
口を大きく開けないことで、トーンが抑えられたり自然に聞かせたりといった演技や表現の幅が出せるのも、舌が鍛えられているからこその強みではないでしょうか。
だからといって真似るべきということではないですが、舌を鍛えておくことはそれほど様々なメリットが生まれるということなんです。
おすすめの舌筋トレーニング
というわけで、ここからは舌を鍛えるためにおすすめしたい5つのトレーニングを紹介します!
それぞれメニューは異なりますが、①②はウォーミングアップに、③④は外舌筋を中心により負荷をかけた練習、⑤は外出先などで人目を気にせず行えるトレーニングなので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
舌筋トレーニング①(タングトリル/巻き舌)
- 上前歯の裏〜硬口蓋の前方あたりに舌を当てる
- ブレスを吐くと同時に舌を震わせる
- ブレスが続く限りキープ
舌筋トレーニング②
- 唇の裏側をなぞるように舌をぐるぐる回す
- 右回り:10周
- 左回り:10周
舌筋トレーニング③
- 口を開き、舌を前にできるだけ伸ばす
- 伸ばした状態で10秒キープ
- 引っ込める
舌筋トレーニング④
- ③の要領で舌先を上下左右へ伸ばす
- 上:鼻先へ付ける
- 右:右頬へ付ける
- 下:顎へ付ける
- 左:左頬へ付ける
舌筋トレーニング⑤
- 上前歯の裏に舌先をグッと押し当てる
- 10秒キープ
- 下前歯の裏に舌先をグッと押し当てる
- 10秒キープ
滑舌練習のコツは「負荷」と「継続」
滑舌トレーニングで大切なのは”負荷”と”継続”であり、僕自身これまでにこの2つを意識したときほど大きな成果として現れてきました。
人によって目標や力量は様々なので、まずは「ここが限界!」というポイントを見つけ、それぞれ何回、何セットという感じでメニューを組んでみてください。慣れてきたら徐々に量を増やしてもいいですし、自分なりのアレンジ方法を試してみるのもいいかもしれません。
とはいえ、あまり根を詰めすぎると翌日に筋肉を痛めたり舌が炎症を起こしたりするので適度な負荷にとどめておくのも大切です。
トレーニングは地道で辛いものですが、滑舌が良くなったときの自分を想像することが継続のポイントになりますよ!
まとめ
というわけで、今回は滑舌をよくする舌筋トレーニングをご紹介しました。
やればやるほど、負荷をかければかけるほど成果が出やすいのが基礎トレーニングで、普段の練習でなかなか成果が出ないという人ほどぜひ試してほしいですし、舌を鍛えることで劇的に滑舌がよくなる可能性があります。
鍛えるべきポイントを絞ったら、負荷と継続を意識して取り組んでみてください。
また、今回紹介した「舌」以外にも、滑舌で気になるポイントが見つかったら以下の記事を参考にしてみてくださいね!
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