声優やナレーター、アナウンサーなど、声の仕事をする方にとって厄介なのが原稿の読み間違え。
いわゆる”噛む”というやつですが、これを改善するためにいろいろ工夫している方も多いのではないでしょうか?
ですが、難しい内容や苦手な言葉が出てくると高確率で噛んでしまいますよね?
実はこれ、原稿にちょっとした加筆をすることで改善できるんです。
この記事では、こうした問題を解決するためにおすすめな「噛まないための原稿チェックの方法」をご紹介します!
その場でできる簡単なものばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
噛まないための原稿アレンジ
噛まないためには、自分が一番わかりやすいチェックの仕方が大切です。
普段から「こういうパターンはこう書き直す」というようなルールを決めておくといいかもしれません。
また、現場やオーディションでは素早くチェックできることもとても重要なので、原稿の加筆はわかりやすさとスピードと心がけることをおすすめします!
ここで紹介する方法を参考に、噛まないための原稿アレンジを習得しましょう。
色を変える
基本は黒のボールペンやシャーペンなどで行うところですが、正直これだけでは原稿の黒い文字と被って見づらいですよね?
最低でも色付きのペンをもう1〜2本持っておくと便利で、個人的には、赤やオレンジなど目立つ色のペンがおすすめ!
読んだ際にも注意がいきやすいので、修正用としての1本は必携と言ってもいいくらいです。
さらにいえば、消したいときにすぐに消せるフリクション(0.38)は使い勝手が良くて便利!
【おすすめのペン】
- 黒のフリクションとボールペン
- 赤のフリクション
- 青のフリクション
線と囲み枠の活用
噛みやすいと感じた部分には、以下のように記号やマークをつけてチェックしておきましょう。
例えば、噛みやすい部分に下線や波線をあてて「ゆっくり読む」と決めたり、間違えやすいアクセントには音の表記をわかりやすい形でチェックしてみましょう。
また、原稿の文章には句読点が振られていますが、必ずしもそれが正しいとは限りません。
句読点通りに読むとかえって不自然になる場合もあります。
そのため、読んでみたときに自然な繋がりになるよう、一拍または半拍の間を取る際には斜線で区切る、切らずに一気に読む場合は囲み枠を利用するのもおすすめです。
【おすすめの線と囲み枠】
- ↘︎(頭高)
- ↗︎↘︎(中高)
- ↗︎(尾高)
- →(平板)
- 〜(噛むポイント)
- /(区切り・間)
- ◯(一括りで読む)
あくまで、僕がわかりやすいと思う例ですが、こうした法則を決めておけば一目で対処できるはずです。
ふりがなを添える
原稿内には、固有名詞や人名や地名、さらには難読漢字やカタカナなどが頻出することもありますね。
こうした場合には、ひらがなのふりがなを振り、文字同士の間隔をあけることがおすすめです。
複雑な漢字や慣れないカタカナよりも、シンプルなひらがなの方が視覚的に見やすくスラスラと読めそうな感覚になりますよね。
確実に噛む確率を減らせるので、ポイントを絞ってふりがなを使っていきましょう。
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改行をアレンジ
台本や原稿のページの変わり目、または文章の改行で文字が中途半端に切れていると、すごく言いづらいという人も多いと思います。
例えば、以下のような文章のとき。
そして私は活動写真の看板画が奇体な趣き
で街を彩っている京極を下って行った。
「趣きで」の部分で目線を一瞬外してしまう可能性があり、ここでアクセントを間違えたり、「で」の入り方が不自然になってしまうことがあるので、以下のように修正するとわかりやすいはずです。
そして私は活動写真の看板画が奇体な趣き
奇体な趣きで街を彩っている京極を下って行った。
改行の冒頭、あるいは改行前の末尾に文章を書き加え、適切なポイントで間を取れるようにすると、改行のときにも噛むことが劇的に少なくなります!
まとめ
ここまで、原稿のアレンジ方法を紹介してきましたが、やはり一番効果的なのは活字に慣れる練習です。
新聞や読書など、あらゆるジャンルの言葉に触れることで目も頭も文字に慣れてくるはずですし、気になった言葉の読み方などは、調べるクセをつけておくことで日常生活でも練習の機会を作ることができたりしますよ!
その上で、ここで紹介した方法をもとに、自分なりの噛まない原稿チェックの方法を身につけてみてください。
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