【日本語アクセント】頭高(あたまだか)の原因と原稿読み上達ポイント

練習法

声優やナレーターを目指す上で、原稿読みのスキルは欠かせませんよね。

実際、読み上げる際は色々なことに気を配らないといけないんですが、その中でも犯しがちなミスが「頭高(あたまだか)」だったりします。

よく「頭高になってるよ」とか「頭が強い」なんて指摘されたことのある人も多いのではないでしょうか?

かくいう僕も、気を抜いたときには頭高を指摘されたことがよくありました。

そう、慣れないうちはこの”文章への入り方”が難しかったりするんですよね…。

ですが、頭高が克服できれば原稿読みの第一印象が良くなり、とても安定した印象を与えることができるんです。

というわけで、今回は原稿読みでありがちな頭高についての解説と改善ポイントをご紹介していきます。

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頭高(あたまだか)とは?

そもそも、今回取り上げる「頭高」とはなんなのか?ということで簡単に解説していきます。

日本語の言語アクセントには「平板」「頭高」「中高」「尾高」の4つのタイプがあり、それぞれどの音節で音が高くなり下がるのかが異なります。

例えば、平板アクセントであれば、第一音節が低く、第二音節以降+品詞も含めて音が高くなりますね。

頭高アクセントの言語はその逆で、第一音節が高く、第二音節以降+品詞は低くなるといった感じです。

それぞれの名称の通り、音の”山”になる部分を覚えておくと発音の際にイメージしやすいのでおすすめです。

  • 平板タイプ:例「歴史(の)→きし()」
  • 頭高タイプ:例「迷路(の)→いろ()」
  • 中高タイプ:例「美容師(の)→()」
  • 尾高タイプ:例「判子(の)→んこ()」

ここで覚えておきたいのは、4つのアクセントタイプ中で「第一音節が高いのは頭高タイプのみ」ということです。

すなわち、頭高になるべきなのは頭高アクセントの言語だけであり、その他のアクセントタイプは必ず第一音節より第二音節の方が高くなるということをおさえておきましょう。頭高を抑える上で、この点はとても重要なポイントです!

アクセントについては以下で詳しく解説しているので、ぜひこちらも参考にしてみてください!

原稿読みにおける「頭高」とその原因

原稿読みにおいて「頭高」と指摘される場合ですが、先ほども少し触れたように、例えば、本来は中高アクセントのところを「美容師(びよーし)」と頭高アクセントで読んでしまうことです。

また、頭高タイプであっても第一音節が第二音節と比べで極端に高くなってしまうと不自然に聞こえますよね?

これらは、文章の冒頭でよく起こりやすいミスで、「また」「そして」「次に」など、文の先頭にありがちな言葉などでもつい力みすぎて第一音節が高くなってしまうことが原因だったりします。

原稿読みの冒頭部分は聞き手への「第一印象」みたいなものでとても大切なのですが、綺麗に読もうと「冒頭の音は高いところから下へ」とか「暗くならないように」「声を大きく」など意識しすぎるとアクセントが不自然に崩れたりアタック音が強くなりすぎてしまうので、聞いてる側は違和感を感じたりびっくりすることもあるんです。

なので、第一声や冒頭部分における”文章の入り方”にはとくに注意して読むことが大切になってきます!

ありがちな頭高パターン
  • 頭高アクセント以外で第一音節が高くなる
  • 頭高アクセントで第一音節が極端に高くなる
  • 冒頭の言語や第一音節が強くなる

頭高を抑える改善方法

それでは、頭高を抑制する方法についてですが、これらは簡単にできて意外と効果があるることなのでぜひ原稿を読む前に実践してみてくださいね。

深呼吸

原稿を読みはじめる瞬間はとかく緊張してしまうものですが、上手に読もうとすると逆に声が上ずったり読みが硬くなってしまう原因にもなりますね。

そこで、直前に「深呼吸」をしてリラックスしてみましょう!

  • 目を閉じて鼻先に意識を集中
  • 鼻から息を吸う(7秒間)
  • 口から息を吐く(7秒間)

目を閉じてゆっくり息を吸い込み、細い糸をイメージしながら息を出す。

余裕があれば繰り返し行いながら心が落ち着くまで試してみてください!

拳を握る

力を抜きたいときは、逆にしばらく体にグッと力を入れてみるのもおすすめです。

  • 全身に力を入れて両手の拳をグッと握る(10秒間)

力を入れ続けパッと解放した後は少し疲労感があって自然と体の硬さが取れるので、大事な場面で緊張をほぐしたいときや眠れないときに行うのもいいかもしれません。

特に肩や首回りの緊張を解き呼吸が落ち着くことで、軸が胸部から丹田(下腹部)へと落ちていくので、声がうわずることなく安定して出すことができます。

どうしても慣れないうちは、姿勢をビシッと正して!原稿を正面に構えて!みたいな感じでちゃんと読もうという意識が働きがちですが、これは悪く言えば緊張に繋がってしまいます。

姿勢を正した後は、自分がやりやすいスタイルに少し崩すことがおすすめで、体の緊張が和らぐと心にもゆとりができ結果的に安定した読みがしやすくなると思います。

文字を加える

3つ目は、原稿の冒頭に文字を付け足す方法です。

二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして〜

こちらの文だと、「二人の〜」が冒頭にあるのでいざ読もうとするとこの部分に力が入りやすくなりますね。

ある日、二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして〜

そこで、こんな感じで冒頭に文章を付け足します。

もちろん声に出して読むのではなく、頭の中で読むイメージでいいと思います。

「ある日、」の音を強調したり高く入ってしまっても、そこから「二人の〜」に入れるので自然と本来の冒頭部分が頭高を抑えやすくなるはずです。

「兎もでていたねえ。そうすれば結局おんなじこった。では帰ろうじゃないか。」
ところがどうも困ったことは、どっちへ行けば戻れるのか、いっこうに見当がつかなくなっていました。

文章中であっても、気になるポイントがあれば「○(一拍)」などチェックを入れ一呼吸置くことで音の上がりを抑えやすくなります。

音程をとる

頭高を抑えるだけでなく抑揚をつける喋りを身につける上で、自分が出している声の高さをよりイメージしてみるのも効果的です。

例えば、歌手が行うように手を使って音程をとってみてください。

高い音を「10」、出しやすい自然な声を「5」、低い声を「1」という感じです。

冒頭で頭高になってしまうのであれば、例えば第一音節を「5」以下の高さにして第二音節は必ずそれより高く設定してみましょう。

こで」「」「」など、第一音節から第二音節にかけて必ず音の山が上がっていく(↗︎)イメージを持つと頭高が抑えやすくなります!

「もぐり」に注意!

ここまで頭高を抑える方法を紹介してきましたが、これを意識しすぎると逆に「もぐり」の原因になってしまうこともあわせて注意しておきましょう!

どういうことかというと、第一音節につられて第二音節以降で音が上がらず文章の途中から徐々に上がっていく(⤴︎)パターンです。

正(↗︎):ころうもこったこ〜
誤(⤴︎):ところがどうもこったこ

例えば、こんな感じで「ところ」の部分が少しずつしか上がらない場合、暗くおどろおどろしい印象を与えたりと、作品によってはマイナスになってしまいますし、その反動から「が」が不自然に高くなってしまうこともあり、聞いていてなんとなく素人読みっぽくなってしまいます。

「頭高」と指摘されるとなんとなく第一音節を抑えようと気が向いてしまいますが、それに伴って必ず第二音節以降の音をしっかり上げることにも注目してみてくださいね。

話し方のクセを治そう

自分自身では分かりづらいですが、朗読や原稿読みでは意外と自分のクセが出やすかったりするものです。

それは個性にもつながりますが、今回の頭高のようにアクセントが崩れたり声が不安定になってしまうマイナス点はぜひ改善していく必要がありますよね。

  • 語尾が伸びる
  • 語尾が弱い
  • スピードが速いor遅い
  • 間の取り方が不自然
  • 抑揚が少ない

上手な人の読みと聞き比べると、最初はどこが違うのかがわかりにくいですが、一音一音の高さや強さをしっかり追って分析すれば、アクセントや抑揚、語尾に間の取り方など様々な発見があるかもしれません。

まとめ

というわけで、今回は原稿読みにおける「頭高(あたまだか)」について解説してきました。

頭高になってしまう原因は、緊張からくるものなのか?喋りのクセや音程の不安定さからくるものなのか?など、これらをしっかりと理解した上で対処していくとすぐに上達できるはずです。

もちろん、誰でも緊張はするし音を外して失敗することもありますが、それらを上手にコントロールしながら楽しむことが一番の上達になるかもしれません。

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