「声優専門学校」と「声優養成所」
名前は知ってるけど、具体的には何が違うのか?結局どっちがいいの?やっぱり目指すなら東京?
何かを始めるときってわからないことだらけですよね。
志望者にとって、自分に適した場所を選ぶことはプロへの近道です。
この記事では、専門学校と養成所を経験した筆者が、それぞれの特徴やメリット・デメリット、そしてどちらがおすすめかを詳しくご紹介していきます。
両者の特徴を考えた上で、ぜひ理想の学校選びをしてください!
認可校と無認可校について
まず、基本的な知識として知っておきたいのが「認可校」と「無認可校」についてですが、これらは全日制か定時制の違い、奨学金や学割などの有無がありますので、入学・在学時にも大きく関わってくる事です。
【認可校にみられる名称】
専門学校 専修学校 学校 学校法人
【無認可校にみられる名称】
学院 学園 スクール カレッジ アカデミー
それぞれの違いについて、はこちらの記事にまとめてあるので参考にしてみてください。
対象の学校を詳しく知りたい場合は、ホームページや資料請求などで確認することをおすすめします。
専門学校
今回は東京にある認可校を基準にご紹介します。スクール(無認可校)でも、専門学校(認可校)と同じ全日制のカリキュラムが用意されているところが多いのであわせて参考になるかと思います。
【専門学校の特徴】
【期間】
- 一般的な専門学校(認可校)は全日2年制
【納入金】
- 計200万〜260万円程度+教材費・施設設備費など
【交通】
- 隣接する施設や公共機関が充実しているところが多い
【学科】
- 1クラス20〜30人前後、人気校ではクラス数も多い
【カリキュラム(全日制)】
- 授業数・時間が多く未経験者向け
僕が通っていた学校は、授業や講師の数も豊富で、必修・選択授業を組み合わせてカリキュラムを作るシステムでした。
1年次は発声や滑舌、演技基礎、歌唱、ダンスなどが必修科目となり、そこに受けたい選択授業(演技実習、パントマイム、アクターズ講習)をプラスします。
2年次はゼミ(週2回のアフレコ授業)という固定授業が必修科目であったので、それを考慮し選択授業(ナレーションや朗読、ラジオドラマやヴォイストレーニングなど)を組みました。
こうして、卒業までに必要な単位を必修や選択授業などで取得していく流れです。
専門学校のメリット・デメリット
それでは、プロを目指すなら専門学校はどうなの?ということですが、僕が感じた専門学校のメリット・デメリットをいくつか挙げていきます。
- 入学試験の難易度が低め
- 校舎が各都市にある
- 未経験者向け(基礎をしっかり学べる)
- 選択授業など豊富なカリキュラム
- 学内施設や機器が充実(教室やオーディオ機器の貸し出しなどもあり)
- 個人でオーディションを受けやすい
- 様々な芸能事務所にアプローチできる
- イベント行事が多い(入学式、オリエンテーション、学園祭、卒業式など)
- 養成所に比べ学費が高い
- 全体的に周りの生徒の意識が低い
専門学校は、カリキュラム自体が「楽しむ」ことを主眼に組まれている印象です。
実力や意識が低い人たちが楽しむだけで参加していると、本気で目指す人にとってはもどかしい環境になるかもしれません。
特に、専門学校は未経験者が多いので意識の差が顕著なんです。
芝居の掛け合いなどは相手がいて成り立つもので、互いを高め合える仲間の存在はとても重要です。
養成所
養成所は、プロダクション会社の一部であり専門学校のような「認可校」ではありません。ですので「無認可校」と考えてもらえればイメージしやすいかと思います。
【養成所の特徴】
【期間】
- 半年〜2年制が多い、3年制でも実力次第では早期に所属できることも
【納入金】
- 計60〜100万円程度+諸費用
【交通】
- 東京や大阪に集中
【学科】
- 1クラス15〜30人程度
【カリキュラム】
- 授業数・時間は専門学校より少なめ
- 夜間・土日などクラスごとに時間割が様々
【養成所入所まで】
- 入所審査には別途受験料が必要
- 入所資格に年齢制限(上限)がある場合も
- 審査は自己PRや原稿読み、面接が中心
専門学校に比べて入所のハードルは高いですが、所属へ向けた明確なルートがあるのがメリットです。
続いて、所属までの過程ですが僕が通っていたところを例にご紹介します。
【入所審査】→基礎クラス(1年)→【進級審査】→専門クラス(1年)→【所属審査】→所属 |
どのプロダクションでも養成所を経験する場合、2〜4回程度は審査を通過しなければ所属にはなれません。
養成所の場合だと、専門学校やスクール以上にそのプロダクションの特色を押し出したメソッドを教え込まれます。また、基礎も全日制の学校ほど時間をかけて教え込まれないところが多いので、いかに自分自身で不足を補えるかが大切です。
各養成所のホームページに募集要項が記載されていますので、詳しくはそちらで確認できると思います。
養成所のメリット・デメリット
それでは、養成所に通って感じたメリット・デメリットを挙げていきます。
- クラスのレベルや意識が高め
- 狙ったプロダクションに所属できる可能性が高い
- プロダクションのメソッドを学ぶことができる
- 事務所所属のタレントが講師をしているケースが多い(鮮度の高い指導)
- 年齢層は専門学校よりもバラけている
- カリキュラムは基本的に決まっていて卒業まで誰もが同じような授業を受ける
- 地方出身者は通いづらい
- 審査の合格ラインが高い
- 未経験者は慣れるまで苦労する
- 設備やレッスン場が限られる
- 個人でオーディションを受けたり、他の養成所との兼学は基本的にできない
- SNSなどの使用は制限されるケースも
未経験者の場合、あの雰囲気に馴染むのは苦労しますし、途中で辞めていくのもこうした人が多い印象です…。それでも、養成所であればお金や時間をかけず効率よく学ぶには最適な場所です。
プロになるには東京が有利?
目指すなら東京が有利なのか?についてですが、実際地方の学校やスクールでも、学ぶ上では全く問題ありません。僕の周りにも、地方の学校で学んで所属した人はたくさんいました。
しかし、都内の方が実績ある講師が多く、芸能プロダクションも集中している印象です。情報収集・オーディションアプローチに関しては、やはり都内の学校に通う方が断然動きやすいので、可能であれば東京を選ぶことをおすすめします。
専門学校と養成所どっちがおすすめ?
専門学校と養成所について記載しましたが簡潔にまとめると「基礎訓練学校」か「プロ養成施設」というイメージです。
【専門学校まとめ】
①入りやすく通いやすい
②設備・カリキュラムが充実
③様々なプロダクションへアプローチ可能
④学費が高め
⑤全体的に意識が低い
【養成所まとめ】
①未経験者や地方在住者はハードル高め
②設備やカリキュラムが限定的
③所属までの確実なルートがある
④学費が低め
⑤全体的に意識やレベルが高い
両者にはそれぞれの良さがあります。とはいえ、結局どちらがいいの?と言われればおすすめは養成所です。
未経験者にとってはレベルが高く厳しい環境ですが、学費を抑えつつ確実に所属までのルートが用意されているのは大きなメリットだし、レベルや意識の高いところで学ぶことは成長を後押ししてくれる一つの要素になるんです。
所属すれば辛いことは山ほどあるので、どちらかで迷っている人は、まずは行きたい養成所へアプローチしてみてください!
まとめ
専門学校でも養成所でも、実際に入ってみると体感するものは想像以上ですが、常に上を目指していかなければ成長は止まってしまいます。
あえて厳しいところへ、あえて辛いほうを…という小さな選択の積み重ねが、目標へ近づく一歩だと思います!
学校と養成所についてもっと知りたい方は、以下の記事で僕の通った経験をもとに具体的な印象を書いているのでこちらもおすすめです!
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