毎年、声優に憧れて目指す人は多いと思いますが、そこからプロになって生き残っていくには今の時代かなり厳しいとも言われますよね?
これは数年前よりも、そしてこれから先もっと過酷になるのではないでしょうか?
この記事では、筆者の業界での経験を通して声優が過酷な理由を解説しつつ、これからの時代に生き残る解決策について紹介していきたいと思います。
声優にならない方がいい理由
目指している人にとっては何度も聞いた話かもしれません。
よく「声優は目指さない方がいい」という意見について。
つい先日、『メタルギアソリッド(シリーズ)』ソリッド・スネーク、『ONE PIECE』黒ひげ役などで有名な大塚明夫さんのインタビューでこういった記事がありました。
東洋経済オンラインにて(大塚明夫「声優の大多数が仕事にあぶれる理由」)。
前半は、声優志望者の考えがあまりにも楽観的すぎることや、今の時代に声優を目指すことの難しさ。
後半では、声優という職業の性質上の問題点。
特に、仕事を生み出せない難しさ(待つしかない恐ろしさや運次第など)について指摘されています。
実は、数年前にも大塚さんはこの内容に近いことを仰っていた気がします。
『声優魂』という本を知っている人からすれば今回の記事とリンクしてくるのかな?
その当時、僕は東京で声優を目指しながら「声優ってやっぱり難しいのか…」とかそんなことを思った記憶がありました。
もしかしたら、今同じように感じる人もいるかもしれませんね。
ですが、これって実感がないからこそ、自分の可能性をまだ試してないからこそ、100%受け入れることって難しいと思います。
当時の僕もそうでした。
なので、目指す人はそれでも目指すと思うし、ここでブレたまま続けるのが一番無駄だと思うんです。
恥ずかしい話、僕も所属して実感するまでは大塚さんの仰るようにかなり甘っちょろい側の人間でしたが、やはり実感するとそれを身に沁みて痛感します。
声優に必要なのは専門的なスキルだけじゃないってことや、巡ってきた少ないチャンスをどう次に繋げるかなど。
常に「就活」してる状態といえばそうかもですが、それがずっと続いてる感覚なのかも。
声優のデメリットについては以下の記事にまとめてあります。
業界はレッドオーシャン
レッドオーシャン=競争の激しい業界や市場
今の声優業界は、大塚さんのご指摘通り極めて少ない椅子を何人もの声優が奪い合う時代。
昔に比べて、圧倒的に努力量や運要素が求められるサバイバルかもしれません。
その主な理由として。
- 東京にプロダクションが集中
- 仕事の需要に比べ声優の数が圧倒的に多い
- 多くの声優を抱えてもプロダクションのデメリットが少ない
- 定年のない仕事
業界ですでに実力や地位を築いた人はなかなか外されませんし、何かしらの理由で引退しない限りその椅子は空きません。
もちろん新しくできた仕事や分野の広がりはあるかもしれませんが、それ以上に志望者が多く競争は年々激化していると思います。
こうした場所だと一人一人の取り分は限られるし、今から目指す人がどれだけ頑張っても運に見放されればチャンスさえつかめない時代が当たり前になってくるかもしれません。
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生き残る解決策
ブルーオーシャン=競争のない業界や市場
現在、地方では人手が足りていなかったり、都内のように優秀な人材が少ないからこそ生まれてないブルーオーシャン市場が結構あったりします。
大塚さんが仰るように「声優は仕事を作れない」かもしれませんが、プロダクションを離れ個人で働くことで、これまでよりも仕事を生み出しやすい環境になるはずです。
YouTubeなどの動画共有サービスからメディアを作り出すことは可能ですし、これは個人でもできることですよね。
現在、芸能界ではより幅広く活動するために事務所を離れてフリーで活動する人も増えています。
自宅で収録できる環境を整えたり、映像制作や動画編集の技術を持つ人と一緒に仕事をするなど、プロダクションや業界に囚われない思考で市場を生み出すことも可能ではないでしょうか。
そういった意味で声優+αのスキルも必要かもしれませんね。
チャレンジとチェンジ
ここまで個人や地方がおすすめと書いてきましたが。
「プロダクションに入った方がなんだかんだで安心」
「業界の中心にいた方がやりたい仕事ができる」
こういう意見もあると思います。
確かに都内に仕事が集中しているからこそ、安心できる面もあるし、魅力的な仕事は圧倒的に東京が多いですよね。
所属していても、こうした活動をある程度容認してくれるプロダクションはあると思います。
どちらにせよ、従来のやり方ではなく新しい分野やツールを積極的に活用し変化していくことが大切です。
これから声優を目指す人は?
では、これから声優を目指す人はどうするべきかについて深掘りしていきます。
声優として生き残るのも大変ですが、そもそも声優になるのも大変なことですよね。
スキルを学ぶなら
フリーにしても所属して生き残るにしてもスキルは必須なので、未経験者がいきなりフリーで活動するのはおすすめしません。
実力や人気があればさほど問題ないと思いますが、やはり現状では学校や養成所へ通うことが最も効率よく力をつけられます。ですが、スキルを磨くだけなら地方の学校でも充分ですし、実家から通えば圧倒的に生活コストを抑えられるのではないでしょうか?
大手の学校であれば充実したカリキュラムやサポートが充実していますし、なんだかんだで2〜3年あれば基礎はそれなりに付きます。
現在、学校や養成所を検討している人には以下の記事がおすすめです。
現状どうしても学校などに通うことが難しい人もいるかと思いますが、独学で学べる環境は徐々に整いつつあります。
もちろん、まだまだ不十分なところはありますが、書籍やネットの記事・動画を参考にするのもありですし、オンライン学習や地元で安価で学べるセミナーが普及すればどこでも手軽に学べる時代になります。
今後の業界を考えよう!
これから目指す人は、この先どんな業界になるのかを考えておくことも大切で、プロとしてスタートする頃には、今と少し違った声優が求められるかもしれないし、働き方だって変わっているかもしれませんよね?
今回、大塚さんの記事を読んだこともそのきっかけになるのではと思います。
声優を目指す人は今後も毎年一定数いると思うし、多様化しいろいろな形で働く人も増えるはずです。
現状を考えた上で、この先の業界を読む力も生き残るためには大切なスキルだと思います。
まとめ
これらはフリーになった僕が思うことですが、現状、周りと同じ業界にいて同じやり方で生き残るのはかなり厳しいです。
”逃げ”と言われればそうかもしれませんが、生き残るには何か行動を起こさないと変わりませんよね。
フリーになることだって違った難しさがあるし、新しい挑戦なので不安もあります。
ですが、昔の環境を離れることで違った景色も見えますし気づきもあります。
現在、声優を目指そうと思ってた人からすればちょっと絶望する内容かもしれないですが、逆にこれからは色々なアプローチの仕方ができるし、地方やネットへの広がりで新しい声優像ができるのではと僕は思います。
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