声優学校には「闇がある」なんて噂を耳にした人も多いのではないでしょうか?
昨今では、インターネットから学費、評判、実績などありとあらゆる情報を検索することができ、これからこうした進路先を検討している人にとってはネガティブな内容も目にすることもあるかと思います。
こうしたマイナスイメージから入学をためらう人もいるのではないでしょうか?
では、なぜ声優学校には「闇」があるのか?悲惨な末路にならないためにはどうすればいいのか?
それは、学校の本質を理解しプロになるための意識を持つことです。
この記事では、学校や養成所に通った筆者の経験から、そうした学校の本質とプロになる心構えをご紹介していきます。声優学校や養成所を検討している人は、必ず知っておいてほしいことなので、ぜひ参考にしながら今後の進路を考えてほしいと思います。
声優学校の闇
なぜ声優学校がおすすめされないのか?
実際に通った人の中には、学校に対するそれぞれの印象があるかと思いますが、ネットにある評判すべてが正しいかと言われればそうでもありません。感じ方は人それぞれですし、そこで学んだものが将来役に立たないかと言われればそうでもなかったりします。
ちなみに僕は、通って本当に良かったと今でも思ってます。
これから学校の実態についていくつか紹介していきますが、充実した学校生活を送ることが後悔しないもっとも大切なポイントじゃないのかな?と僕は思ってます。
もちろん楽なことばかりではないですが、好きで選んだ道だからこそ頑張れるのではないでしょうか?
学校の闇(2つの要因)
これには、学校の実態とプロダクションの実態が大きく影響していると思います。その根拠をわかりやすくポイントにしてみると…。
- 学校の過大広告や宣伝
- 入学後のカリキュラムの厳しさ
- 資格取得や卒業後の就職の難しさ
- オーディションの現実
- 合格率とプロダクションの質
僕もこれらいくつかの問題に直面しましたし、その度に痛感したのは、理想(イメージ)と現実が大きく違っていたこと…。
わかってはいたけれど、現実はとても厳しいということです。
そうやって夢を諦めた人を何人も見てきたので、これから目指す人にもこの現実を少しでも理解してほしいと思います。
学校の実態とは?
それでは、以下で学校とプロダクションについて詳しくご紹介していきます。
学校の実態と書いていますが、問題は受け取る側が業界や広告の印象をどう感じるかです。
広告や宣伝
声優という職業は一般的に見たら非現実的で過酷な夢ですし、どの家庭の親でもまず反対するのが当たり前かもしれませんね…。
だけど、学校側の広告によるイメージというのは、声優を目指す人にとっては華やかに映るもの。卒業生の実績や魅力的なカリキュラムが目に入れば「ここならプロになれるんじゃないか!?」って期待を抱いてしまいますよね?若い人ならなおさらだと思うんです。
正直、僕も目指した当初は憧れと自信に満ちていたので、本当の意味での覚悟なんてできてなかったのかもしれません。笑
夢のあるキャッチコピーによって「この学校に入りさえすれば大丈夫!」と感じるかもしれませんが、どこへ行っても自分自身の才能や努力の方が何倍も大切です。
広告やイメージを過信せず、学校の責任にせず、あくまでも自主的に現実的に考えることを常に忘れないようにしましょう。
入学後の授業内容の厳しさ
業界に目を向ければ、声優はとにかくメディアへの露出が増えましたね。(声優になるためには、ルックスやスタイルが魅力的なのは当たり前な時代って感じです。)
SNSの普及もあり声優を身近に感じる時代ですし、誰でもネットで発信できる時代なので、昔に比べると業界と世間の壁がなくなった印象です。
とはいえ、いざプロを目指すとなればそこには大きな壁があることに変わりありません。
とかく、プロを身近に感じることができても「辛いこと」を目にする機会も少ないかもしれませんし、自分も好きなこと、やりたいことができると期待をするのも当然ですが、絶対に避けては通れない道が基礎訓練です。
入学して最初にある基礎の授業は地道で辛いことが多いので、ここですぐに挫折する人も少なくありません。
こうした授業に少しでも慣れておくことも大切で、学校に通う前からできることもたくさんあったります。
卒業後の資格取得と就職の難しさ
声優学校を卒業したからといって安泰ではありません。これは声優の道を続ける場合もですが、それ以外の職業に進むことになっても厳しいです。
認可校であれば「専門士」の資格をとることはできますが、調理師や看護師のように実用的な資格を取れるわけではないので、就活を行う場合、希望の会社へ入ることに苦労するケースが多々あります。(数年前はとくに内定率が悪かったため、声優学校の評判も良くなかったように思います。)
声優に特化したカリキュラムを受けるため、当然それ以外の道を目指すことになった場合のことも考えて卒業後の厳しい現実を理解しておくことも大切です。
プロダクションの実態とは?
卒業後のことに関して、声優プロダクションにも目を向けておく必要があります。
プロダクションには様々なところがあり、当然入る難易度にも多少の差はあると思うのでオーディションとあわせてその現実を理解しつつアプローチしましょう。
オーディションの現実
専門学校やスクール、養成所など様々なところでオーディションが行われますが、有名なものであればその競争率は非常に高いです。
「有名プロダクションに所属できるのは100人に1人」
当時、僕の講師をしていた方が仰ったことですが、仮に専門学校の声優科に300人いれば将来3人程度しか所属できないということ。
作品の出演をかけたオーディションであれば、実際のプロと競う可能性だってありますし、所属オーディションであれば子役から演技経験のある人と競うケースもあります。
そんなのわかってるよって人もいるかもですが、実際に何度も挑戦し続けるには相当な根気が必要だったりで、実際にオーディションに応募した人ならわかることですが、スケジュールを合わせたり準備をしたりと、受けるのも合格するのも大変だということを改めて理解する必要があります。
合格率とプロダクションの質
声優学校には、卒業生の合格率が紹介されているケースがあり、一般的な対象は、プロダクション所属オーディションに合格し所属や預かりになった人を指します。
しかし、ここで注意したいのが業界には大小様々なプロダクションがあるということ。当然、有名どころ以外の事務所の合格率も含まれているわけです。
こうした事務所が悪いとは言いませんが、実際に売れ続けている声優の方々は制作側との繋がりが強い大手〜中堅どころの所属がほとんどではないでしょうか?
前述した100人に1人という割合が現実的な数字ですよね…。
卒業生の合格率はもちろん一つの参考基準ですが、プロになったその先を見据えて考えることが大切だと思います。
”楽しい”を捨て目標に生きよう
ここまで書いていてかなり暗い内容になってしまいました。笑
とはいえ、こうしたことを理解しておくことは後悔しないためにものすごく大事なことだと思うんです。
学校(業界)側はビジネス、生徒はお金(学費)を払ってくれる言わば「お客様」です。生徒をより多く集めるためには、プロになれると謳いつつも楽しいと感じてもらわなければいけません。
学校の雰囲気も授業カリキュラムもこの楽しさを盛り込んで興味を惹くわけです。
支払ったお金のほとんどは、今後の学校の運営や一握りの生徒のために使われますが、こうしたお金を少しでも自分の価値に変えるには、いかに充実した学校生活の中で多くのことを学び将来に活かせるかだと思います。
生徒は、学校に行って友達を作ることが一番の目的ではないですし、恋愛をしにいくわけでもなく、学校内で目立つことでもありません。楽しいことばかりだと、後々大きな「闇」が待っています。
プロになるわけですから、楽しいことを捨て、辛いことに向き合うことではじめて楽しくなるのではないでしょうか?
まとめ
いろいろと書いてきましたが、声優学校の闇というのはこうした理想と現実のギャップから生まれるものだと思います。僕が思うに、批判するよりも、楽しむよりも、学校という恵まれた環境で最大限そのチャンスを活かすべきです。
プロになると決めて自分で選択した道ならば、学校の責任ではなく自分の責任です。
もし、目指そうと悩んでいる人は、ぜひ一度この心構え参考にしていただけたら幸いです。
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