「ボイスオーバー(V.O.)」という仕事をご存知でしょうか?
アフレコでもない、ナレーションでもない仕事。
声優を目指してても意外と知らないって人も多いかもしれないし、学校や養成所でアフレコやナレーションの授業はあっても、ボイスオーバーの授業ってほとんどないと思うんですよね。
僕も当時は授業でアフレコやナレーションを学んできましたが、実際に所属してから多くの現場がボイスオーバーでした。
もちろん、プロダクションや個々の特徴にもよりけりですが、おそらく若手声優のほとんどがこの現場を一度は行くことになると思います。
それくらい需要のある現場だし、特に若いうちは貴重な仕事でもあります。
というわけで、今回は「ボイスオーバー」をまだ知らない人に向けた現場内容について紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください!
ボイスオーバーとは?
そもそもボイスオーバーってどんな仕事?ということですが、わかりやすくいうと吹き替えとナレーションの中間のような仕事と思ってもらえばいいかもしれません。
ボイス(声)をオーバー (重ねる、かぶせる)という意味で、よく情報番組や再現VTRなどに出てくる外国人の声に日本語がかぶせてあるアレです!
翻訳(原音)は残しつつも、日本語の音声が入ることで視聴者によりわかりやすく情報を伝える意味合いが強いです。
人(キャラクター)に声をあてるので、演技のベースはありつつも文章内容のポイントを押さえながら喋ること。
また、口の動きに極力合わせてより自然で伝わりやすい喋りを意識しつつ、作品のテイストに合わせた対応ができるのが好ましいです。
どんな現場?
ボイスオーバーの仕事は内容にもよりますが、新人のうちは数分で終わる現場もざらにあったりで。
スタジオに入って→原稿をもらって説明を受けて→収録という流れが一般的ですが、とにかくスピーディーな対応が求められます。
ちなみに、収録はナレーションと同じように座って行うのがベター。
仕事を繰り返していくうちに、何度も同じ現場に呼んでもらえることもありますが、1年目ははじめて行く現場がほとんどなのでスタジオまでのアクセス方法やMAルーム(収録室)を間違えないように注意しておきましょう!
キャスティング
基本的には同じ事務所から男性役・女性役で複数人の声優が選ばれることが多いですが、ときには一人で何役も担当したりすることも。
日頃テレビ番組を見てると「役柄は違うけどさっきと同じ人だなあ…」とか「年齢や雰囲気で全然喋り方が違う!」なんてこともあります。
どんな番組でどんな役柄(30代男性役など)かは前日の仕事連絡で教えてもらえるんですが、いざ現場へ行くとちょっとした変更点もあったりするので、年齢やキャラクターなど幅広く多彩な喋りができる人ほど重宝されます。
そうして、なんども現場に行くことで次第に自分の得意なことや課題が見えてくるのではないでしょうか?
ギャラは?
あまり詳しくは書けませんが、V.O.は比較的安価なものが多い印象です。
とはいえ現場によっては、拘束時間の長いアフレコのギャラより高いんじゃないか?というものもあるので、数をこなせば結構な収入になったりします。
セリフや原稿量で比較すれば、アニメやナレーションよりもコストパフォーマンスが高いとも言えるかもしれません。
ボイスオーバーの注意点
冒頭でも書きましたが、ボイスオーバーの現場って思った以上に数が多いというのが僕の印象です。
そして、気がつけばあっという間に終わってあまり仕事をしたという実感がなかったり…。笑
ですが、短い現場の中だからこそ度胸や対応力が試されます。
原稿に至っては、ボイスオーバーのセリフ部分のページしか配られないことがほとんどなので番組全体の流れや雰囲気はスタッフとのコミュニケーションがとても大切!なおかつテストも1回程度なので吸収できることはすごく多いですよ!
僕も、最初の頃は先輩声優や現場のスタッフさんに救われたりでなんとか現場を終えることができました。
今だと、若い声優さんのほとんどは現場へ行ける本数や時間も少なかったりしますが、そんな中でも先輩タレントの言動やスタジオの空気感・コミュニケーションなど些細なことも学ぶ意識を持っておくとことがとても大切ではないかと感じています。
まとめ
声優の仕事といえば、アニメや外画やナレーションが広く知られていますが、それ以外にも多くのジャンルがあり、アフレコやナレーションの要素をどちらも含んでいる仕事がボイスオーバーです。
ニュース番組やバラエティなど、合間合間に出てくることが多く、注意しながら聴くとちょっとした手法の違いに気づくことができたりします。
ぜひ、いろいろな番組やキャラクターのボイスオーバーから多くのことを学んでみてください!
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