口の開き方、舌の使い方など、様々な音を組み合わせて形成される日本語ですが、みなさんの中には、「さ行」と聞いてつい苦手意識が働く人も多いのではないでしょうか?
正直なところ、「さ行」ってとても言いにくいんですよね…。笑
「〜させていただきます」「〜させてください」「〜してみます」「〜してみましょうか?」
こういう噛んじゃいけないシーンで、頻繁に「さ行」って出てくるんです。
ですが、大事な場面でよく使うからこそしっかりとした発音を身につけて滑舌を良くしたいですよね。
というわけで、今回は「さ行」の発音と改善するトレーニング方法とご紹介します。
実践するだけで確実に良くなる方法なのでぜひ試してみてください!
「さ行」の発音
そもそも日本語とは、子音や母音の組み合わせの連続によって成り立つものであり、その中で「さ行」は、「破擦音(はさつおん)の子音」+「母音」でできています。
- さ行:子音(破擦音)+母音
「さ行」でいう破擦音とは、歯と空気(ブレス)の摩擦によって生まれる音であり、これが子音「s」になり、そこに組みあわさる母音「a,i,u,e,o」によって「sa,si,su,se,so」といった具合に「さ行」が出来上がります。
ちなみに、この破擦をさらに強くすると「z」という感じで「ざ行」にもなるわけですね!
- ざ行:子音(強い破擦音)+母音
ポイントなのが、歯と舌の使い方です。
「さ行」も「ざ行」もそうですが、空気をうまく送り出し破擦音を起こさなければ正しい子音にはなりません。
もう少し具体的に言うと、歯はほぼ閉じた状態からほんのすこしだけ隙間を作る、舌は下前歯の裏側の付け根あたりに軽く当てるまたは添える感覚が大切です。
- 舌:空気の通り道をコントロール
- 歯:摩擦をコントロール
例えば、「さ」が「あ」に聞こえる人は上下の歯の開きが大きすぎたり、「た」になってしまう人は舌先が上の歯に当たっているかもしれません。
また、「〜させていただきます!」が「〜すすていただきます!」みたいに噛んじゃうパターン。笑
こういう場合は、母音を鍛えることですぐに改善できる場合が多いので、まずはこちらの記事も参考にしてみてください。
どんな音であれ、子音と同時に母音も非常に大切になってきますよ!
「さ行」の改善トレーニング
というわけで、「さ行」の発音を見直す上でポイントにしたいのが、前述したような「舌と歯の使い方」になります。
ですが、いざ一般的に使われる言葉を発音するとなると口が回らず噛んでしまうことがありますよね?
おそらくそうした場合の多くは、途中で息を出したタイミングと破擦するタイミングが合わなくなり、子音(s)のかかりが甘く抜けたような発音になっちゃいます。
そこで、以下のように文字に書き起こしたら、あらかじめ区切って、ブレスと口の形を意識してから発音する練習をしてみてください。
- お騒がせして/すみません/でした。
- 詳細に/お話しして/いただけ/ませんでしょうか?
- 生産者の/申請書を/審査/させて/いただきました。
- ぜひ/明日の朝/お伺い/させて/いただきます。
- 政治ニュースが/取りざた/されています。
はじめは違和感があると思いますが、ゆっくり丁寧に話すことを何度も繰り返し、少しずつ区切った間隔をなくしてみてください。
各ブロックごとに細かく区切ることで、それぞれの頭で息を強くアタックさせることができるはずですよ。
こうして原稿にちょっとしたアレンジを加えることは、「さ行」に限らず、噛まないためのテクニックとしても有効です!
ぜひ、母音のトレーニングと組み合わせて「さ行」を改善してみてください。
「さ行」の噛みやすい言葉
先ほどの敬語を交えた例文は、一般的によく使われる言葉遣いだったりしますよね。
他にも、頻出する「さ行」の噛みやすい言葉を挙げてみたので、気になった方はぜひチェックしてみてください!
- 表沙汰
- 捧げる
- 指図する
- 写真
- 手術・技術・施術
- 収入・支出・歳入・歳出
- 就職・再就職
- 初期症状
- 初心者
- 諸事情
- 事実上
- 選出・進出・続出・消失
- 創始者・創設者
- そそのかされる
まとめ
というわけで、今回は「さ行」の発音と改善トレーニングについてご紹介しました。
こうしてみると、大事な場面でとても多く使われている音なのがわかりますね。
正しい「さ行」の発音を身につけるだけで、コミュニケーションがスムーズになるだけでなく、相手にスマートで好印象を与えることにもなるはずですよ!
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