「声優」ってどんな仕事?職業とワークスタイルについて

業界・進路対策

昨今では、アニメやゲームの人気に伴い「声優」という職業が広く認知されるようになりましたよね。

みなさんの中にも、「将来は声の仕事がしたい!」と憧れる人は多いとは思いますが、もしも将来声優になれたとして、その先のワークスタイルまではちょっとイメージしにくいかもしれません。

そこで、今回はこれから声優を目指す人に向けて、「声優」という職業の仕組みからワークスタイルまでを紹介していきます。

今後の進路を検討している人も、この機会にぜひ参考にしてみてください。

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職業について

なんとなくわかってはいるけど、声優って実際のところどんな職業なのか?

まずは、この点を以下でできるだけわかりやすく解説していきます。

労働形態

声優を生業とする多くの人は、開業届を提出した「個人事業主」、あるいは実質的な「自営業者」や「フリーランス」として活動しているケースがほとんどです。

タレント一人一人が独立した”小さな会社の社長”をイメージしてもらうとわかりやすいかもしません。

みなさんにとって馴染みのあるアフレコやナレーションといった仕事の数々は、事務所が行う業務の一部をタレントに委ねている状態ということですね。

その後、入ってきた報酬の何割かを事務所が納め、さらに源泉徴収分などを差し引いた残りの金額がタレントに支払われるという仕組みで、事務所から「支払調書」が送付されることで毎月の出演料を確認できます。

また、事務所に所属せずフリーで活動する声優の場合は、取引先から直接出演料を受け取ることになるため報酬のすべてが手元に入ることになります。

以下は、タレントと事務所の一般的な割合例ですね。

【割合例】

  • タレント8-2事務所
  • タレント7-3事務所

したがって、声優は雇用契約を交わす会社員(事務所マネージャー、スタッフなど)とは異なり、会社の給与体系や福利厚生を受けられる対象とはなりません。このあたりが世間から見て「声優」という職業があまりおすすめされない要因の一つでもあり、常に不安定な職種ということになります。(労災保険に関しては、2021年4月から「特別加入」の対象となりました。)

その反面、「定年」や「転勤」といったことがなく自由にキャリアを形成しやすいメリットもあり、自分という商品が売れていけばいくほど入ってくる収入も大きくなるというとても夢のある仕事でもあります。

ワークスタイルについて

仕事が決まるまで

声優の場合、仕事やオーディションが決まるタイミングは様々です。

たいていは、前日までに事務所から連絡があり決定となることが多いですが、稀に当日に連絡が入ってくることもありますし、仮決定の仕事がバラし(仕事がなくなること)になるケースもありとにかく不確定で流動的です。

これらは制作側のスケジュールや現場の進捗状況によるところが大きいですが、出演者のトラブルや急病で代役というケースもみられますね。

「着信を見逃して…」といった理由で他の同業者に仕事が流れてしまわないように、とくに新人のうちは仕事の連絡をいつでもどこでも受け取れて、アルバイトやプライベートもできるだけ融通の利く生活を送ることが望ましいです。

働き方

声優の仕事時間や働く場所は毎回のように異なります。

そのため、入り時間やスタジオ場所のチェックは欠かせませんし、アフレコやMC、ナレーションやボイスオーバーなど、どういった内容の仕事で何が求められるのか?といったことも変わってきますね。

当然ですが、仕事が違えば共演者もスタッフも毎回違いますし、クライアントも含めれば出会う人たちもかなり幅広くなるはずです。

ただ、帯番組などのレギュラーを抱える場合は、毎回ほぼ同じ時間帯・スタジオで収録が行われるケースが一般的です。

ある日のある時間に港区のスタジオで仕事をしている人もいれば、その日は自宅でオフという人もいますし、サラリーマンや学生が帰宅する深夜帯に出勤することもあれば、早朝に収録が終わって帰宅など。

とにかく、肉体的にも精神的にも刺激的なワークスタイルは、大変でもあり魅力的ともいえる職業です。

ギャラ

先ほど説明したように、声優やナレーターのギャラは一般的な会社員とは違って固定給与ではないため収入はかなり不安定です。

あわせて、実際に報酬が手元に届くまでは仕事をしてから3~6ヶ月程度の期間がかかります。

それぞれの仕事によって振り込まれるタイミングもバラバラなので、まとまって入る月もあれば意外と少なかったという月もあったります。

また、一般的な仕事やアルバイト違ってギャラは労働時間に関係ない点も考慮しておきましょう。

例えば、実質30分で収録が終わったとしても、振り込まれた額が数千円や1万円以上なんてこともあります。

ただでさえ保障の効かない労働形態でありながら、毎月の収入額が見通しづらい部分はありますが、行った仕事と毎月の明細をしっかりと照らし合わせて、何月何日の仕事のギャラを受け取ったのかをチェックしておくことが大切です。

まとめ

ここまで紹介しただけでも、一般的な職業や働き方とはかなり違いますよね。

最近では、声優の仕事がピックアップされることも少なくないですが、実はその一つ一つはこうした仕組みのもと成り立っていたりします。

以前、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で声優の神谷浩史さんが「やっぱり僕らは日雇い労働者なので~」と仰っていたように、声優は、まさに先の見えない未来に向かって一日一日を過ごしていかなければならない存在です。

しかし、だからこそ一つの仕事へのありがたみや、刺激的な環境から得られるものも多いのかもしれませんね。

現在、声優を目指している人たちが、改めて声優という職業について理解を深めることでこれからの進路の参考にしてもらえたら嬉しいです

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