「声優」という職業が広く認知されるようになり、将来こうした声の仕事を目指す人もすごく増えた印象ですよね。
今ではたくさんの「声優」に関する書籍があるけれど、どれを買おうか迷う人も多いのではないでしょうか?
以前、僕自身もこうした本を読んで参考にしたものの、中にはいまいち身にならないものや思っていたものと違ったという経験もいくつかありました。
買って満足する本は意外と少ないし、本を探しにわざわざ書店に足を運ぶのも大変だったりするんですよね…。
そんな中見つけた、『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』という本。
今回、実際に購入し読んでみた感想や、本の概要、さらにはどんな人におすすめなのか?というポイントをまとめてみました。
「声の仕事を目指す」「声優に興味がある」などなど、幅広くおすすめできる内容だったので気になる方はぜひ参考にしてみてください!
『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』
編者:声優グランプリ編集部
サイズ:A5判(148×210)
ページ: 269ページ(第2刷)
発売日: 2019/2/8
出版社:主婦の友社
【構成】
- はじめに…………p2
- 野沢雅子…………p6
- 古川登志夫………p12
- 堀川りょう………p17
- 草尾毅……………p19
- 古谷徹……………p27
- 池田秀一…………p31
- 戸田恵子…………p36
- 銀河万丈…………p43
- 堀内賢雄…………p49
- 藤原啓治…………p54
- 吉野裕行…………p58
- 高橋広樹…………p63
- 鈴村健一…………p69
- 緒方恵美…………p73
- 山寺宏一…………p78
- 三石琴乃…………p83
- 大山のぶ代………p86
- 大原めぐみ………p90
- よこざわけい子…p96
- 水田わさび………p100
- 関智一……………p106
- 松本保典…………p110
- 増岡弘……………p116
- 冨永みーな………p122
- 若本規夫…………p128
- 榎本温子…………p134
- 三ツ矢雄二………p140
- 日髙のり子………p144
- 井上喜久子………p150
- 國府田マリ子……p154
- 平野文……………p158
- 田中真弓…………p165
- 山口勝平…………p168
- 柴田秀勝…………p175
- 竹内順子…………p179
- 井上和彦…………p186
- 松本梨香…………p192
- 大谷育江…………p198
- 島本須美…………p205
- 池田昌子…………p211
- 羽佐間道夫………p216
- キートン山田……p222
- 緑川光……………p229
- 置鮎龍太郎………p234
- 朴璐美……………p239
- 岩田光央…………p247
- 折笠富美子………p253
- 緒方賢一…………p259
- 高木渉……………p265
書籍紹介
この本見たときにふと思ったんですが、そもそもなぜ名優50名のインタビューを集めたボリュームある一冊を発行できたのか。
実はこれ、同じ出版社である「主婦の友社」から発売されている声優情報雑誌『声優グランプリ』にて、2007年から行われるインタビューの数々を集めた内容なんです。
なので、愛読者にとっては馴染み深いものかもしれませんが、今さらすべてを読み返すとなると大変なことですよね。
そこで、2019年『声優グランプリ』の創刊25周年を記念しインタビューを厳選。
名優50名から過去の体験談、長年培った経験やノウハウ、さらには声優としての心得などを掲載し、声優志望者だけでなく多くの人々に共感されるインタビューの数々がA5サイズの一冊になって発売されました。
内容
『ドラゴンボール』の孫悟空で有名な野沢雅子さんをはじめ、誰でも一度は聴いたことがあるであろう有名声優さんたちが269ページにわたって登場。
ご存知の方も多いかもしれないですが、これらの方々の多くが現在第一線で活躍するとともに、学校や養成所などで講師として指導にあたった経験があるため、全体的にとてもわかりやすい語り口なのも印象的でした。
気になる本の内容ですが、インタビュアーとのQ &A方式というよりも、各声優さんがそれぞれの思いで語った内容が綴られていて、ご自身の経歴や業界に入った経緯、そこから現在までに感じたことなどなど…、幅広い視点から「声優」の仕事とは何かを教えてくれます。
ほとんどの方のインタビューが下記の構成で各ブロックごとに分かれて掲載されていますが、小説と違って各ポイントごとに読み返せるのも大きなメリットです!
【インタビュー構成】
- 声優を志したきっかけ
- 業界に入った経緯
- デビューから現在まで
- エピソードや体験談
- 自論 (演技論や心構えなど)
レビュー
269ページとはいえ、中を見るとなかなかの文量だったので、僕の場合、1名ずつ日替わりで約2ヶ月かけて読み進めていきました。笑
というわけで、ここからはこの本の良かった点・気になった点を挙げつつどういった方におすすめなのかを具体的にご紹介していきます!
良かった点
まず、何といっても50通りの声優人生を垣間見ることができるのがこの本の大きな魅力ですね。
中には、普段知ることのできない現場の実体験やライフワークなど、驚くような話がたくさん語られていて読み飽きないのはもちろん、それぞれの声優さんの考えを知るうちに、必ずしも正解が一つではないこと、自分ならどうすべきかを問いかけられる一冊でした。
その他にも、演技論や現場でのちょっとしたコツ、業界の裏話から声優を目指す上で大切な要素など、声優を志す人にとってはかなり共感できて参考になる部分が多かったし、”仕事の心得と生きるヒント”のサブタイトル通り、広義は自己研鑽・処世術・マインドセットといったように、誰の心にも響く言葉がたくさんありました。
個人的にすごく心に残っている部分が鈴村健一さんと井上喜久子さん。
僕は役者に限らず、”世界は失敗してもいいようにできている”と思います。僕も一度は大失敗しましたが、自分のために頑張り続けていれば、きっと誰かが見てくれていて、どんな失敗もいつかは取り戻す機会に恵まれると信じています。
『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.72(鈴村健一) 出版:主婦の友社
例えば家族に「おはよう」と言うときに、ただ口先だけで挨拶するのと、今日も一日元気に朝を迎えられて幸せだねっていう気持ちを込めて言う「おはよう」は、ぜんぜん違うじゃないですか。「ありがとう」でも「おいしかった」でも、そうやって愛情をたっぷり込めて言うこと。日常生活の中で起こるいいことも悪いことも、しっかり受け止めていくこと。そういう経験を、いつかお芝居に生かしていけたらいいですね。
『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』p.153(井上喜久子) 出版:主婦の友社
語り口も様々なので、読み進めるなかで馴染みやすい文章とか共感できるポイントが多い声優さんがきっと見つかるはずです。
最近では、声優の著書がたくさん出版されていて、どれを選ぼうか悩む方にとってはお気に入りの声優さんを見つける入門書にもなるはずですよ!
気になった点
構成上、インタビューの掲載はひとり数ページとあって深掘りした内容ではなかったのが残念なところで、こればっかりは仕方ないんですが、もっと具体的に知りたいと思う箇所や体験談なんかがたくさんありました。笑
なので、内容的にエピソードや自論が多く、実用的なトレーニング方法や具体的なコツなどが知りたい人には不向きだとと感じます。
また、同じ構成で文字数もぎっしりなので読み疲れしやすく持ち運びにもやや不向き…。本棚から気が向いたときに少しずつ読み進めていくとこの本を長く楽しめるはずです!
こんな読者におすすめ!
- 声優を目指している人
- 声優好きな人
- 仕事や人間関係で悩みを抱える人
ファンはもちろん、これから声優を目指す人にもおすすめできますが、特に現在進行形で声優を目指している人には、目の前にあるオーディションや課題、日々感じてしまう悩みや不安に対して優しくときに厳しい言葉を投げかけてくれる一冊。
その他にも、現在仕事や人間関係で悩んでいる人には共感できるポイントがかなり多いなと感じました。
というわけで、まとめるなら「声優の視点から語られる啓発本」というのが個人的にはとてもしっくりきました!
声優志望者にとっては、実用書や教本というより入門書として、声優の世界を知ることのできる一冊となっています。
まとめ
- 価格…………★★★☆☆
- 携行性………★★★☆☆
- ボリューム…★★★★★
- 読みごたえ…★★★★☆
- 読みやすさ…★★★☆☆
- おすすめ度…★★★★☆
今回は、声優本の定番『声優道 名優50人が伝えたい仕事の心得と生きるヒント』についてご紹介しました。
“プロ声優50名の教え”が一冊に凝縮され、様々なエピソードから声優の本当の厳しさと魅力を垣間見ることができるはず!
今ではメジャーとなった「声優」という仕事ですが、さらに知りたいと思った方はぜひチェックしてみてくださいね!
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